「[鳥取環境大学]の森の人間行動動物学」第4弾。
シリーズものは回を重ねるにつれて面白くなくなることが多いのだが、このシリーズは安定して面白い。今回登場する動物は、ヒキガエル、アカハライモリ、アオダイショウ、ヤギ、スナガニ、エボシガイ、カラス、ホオジロ、イタチなど。
ハプニングは、学生を驚かす。こちらにとってもハプニングであれば、なおさら学生にとって意外性が大きいはずだ。その“驚き”や“意外性”が、学ぶものの脳を、学習の姿勢に移らせるのである。
これは、よくわかる。事前に用意しておいたネタだけでは、どうしても退屈な講義になってしまうのだ。その場で起きたこと、その場で思い付いたことを、取り入れるのが大事。これはパネルディスカッションなどでも痛感することだ。
“人間が、火事や事故の現場に対して示す強い関心”、これは、一種のモビングではないだろうか。
動物の行動様式と人間の行動を結び付けるこうしたアイデアも、大胆かつユニークで楽しい。
2010年4月25日初版、2013年5月31日4刷、築地書館、1600円。