2014年05月14日

オシムの提言

サッカーW杯に出場する日本代表23名が決まったことについて、かつて日本代表監督を務めたオシムがコメントしている。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/05/13/kiji/
K20140513008151760.html


オシムの言葉はユーモアやウィットに富んでいて、いつも面白い。

私はかつて遠藤に、もっと走り、相手にとって危険な地域に飛び出すように何度も注文した。チーム最年長だが、まだ年金を受け取るには早すぎるだろう。

「年金を受け取るには早過ぎる」は、ベテランだからと言ってのんびりせず、ハードワークしなくてはいけないということだろう。

いつも強調していることだが、1人だけで無理しようとせず、周囲とのスピーディーなコンビネーションを心掛けるべきだ。相手のDFとレスリングをしていると時間がかかり、味方の攻撃の機会がなくなってしまう。

これは本田についての発言。
「相手のDFとレスリングしていると」が面白い。一人で突破しようとしてボールを持ったまま相手DFと駆け引きしていると、といった意味だろう。それを「レスリング」に喩えているのがうまい。

香川は今季、あまり出場機会に恵まれなかったが、プレーの仕方を忘れたわけではないだろう。イングランドでもドイツでも、他にはいないタイプのプレーメーカーで、モダンな選手だ。自分が香川であることを思い出し、W杯で思いきりプレーしてもらいたい。

「自分が香川であることを思い出し」がすごい。普通に言えば「自分本来のプレースタイルを忘れずに、自信を持って」といった感じになるところだ。それを「自分が香川であることを思い出し」とコンパクトに言っている。その分、香川の持つ力に対する信頼感がしっかりと伝わってくる。

こうしたちょっと不思議な言い回しの日本語は、おそらく翻訳の問題ではなく、表現の問題なのだろう。それは、どこかで短歌にも通じる話なのだと思う。

posted by 松村正直 at 06:13| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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