2014年05月09日

「本郷短歌」第三号

東京大学本郷短歌会の発行する短歌誌。98ページ、500円。

折々に沈黙(しじま)へ櫂をさし入れて舟漕ぐやうな会話と思ふ
               安田百合絵
風みえて欅散りをり木版のごとくかするる西日のうちを
               小原奈実
水馬(あめんぼ)に馭せられ見いるみずたまりなべて記憶は上澄みを汲む
               千葉崇弘
朝焼けにうっすら染まった猫が来てひとつずつ消していく常夜灯
               鳥居 萌

7首連作×6名、12首連作×7名、20首連作×2名が載っている。
作品だけでなく評論が充実している点が大きな特徴だろう。
特に「短歌 ジェンダー ―身体・こころ・言葉―」という特集は読み応えがある。

・開かれた「私」 現代短歌における作者の位置(吉田瑞季)
・〈母性〉の圧力とその表現―大口玲子『トリサンナイタ』について、俵万智『プーさんの鼻』に触れつつ(宝珠山陽太)
・「歌人」という男―新人賞選考座談会批判(服部恵典)

3篇ともに文章がしっかりしていて、作者と作中主体の関係や短歌におけるジェンダーの問題を深く考えさせる内容となっている。

posted by 松村正直 at 18:06| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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