2014年04月07日

田中康弘著 『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』


全国各地の狩猟の現場を取材したドキュメンタリー。西表島のカマイ(イノシシ)、宮崎県のイノシシ、大分県のシカ、高知県のハクビシン、大分県のアナグマ、礼文島のトド猟が紹介されている。

著者はフリーのカメラマンであり、この本にも200点近いカラー写真が載っている。どれも現場に居合わせているような迫力のある写真で、ものを食べる、肉を食べるとはどういうことか、深く考えさせられる。

20年以上前に秋田県の阿仁マタギと知り合って一緒に山へ行くようになって以来、私はざまざまな猟場へと足を運び取材した。その過程で強く感じたのは、狩猟が地域の食文化と密接に関わっているということだった。
日本人がどこから来て、何を食べて日本人になっていったのか。もちろん、そんな高尚な学問的探求心ではなく、知らない土地を歩き、話を聞き、そして食べて理解したいのである。“論より証拠”ならぬ“論より食”なのかもしれない。

こうした考えに共感するとともに、著者の問題意識や取材が長年にわたって継続している点にも感心する。

2014年4月10日、えい出版、1500円。

posted by 松村正直 at 15:14| Comment(0) | 狩猟・食肉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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