2014年03月11日

司馬遼太郎著 『街道をゆく29 秋田県散歩、飛騨紀行』


1990年に朝日文庫から出たものの新装版。
単行本は1987年、朝日新聞社刊。

秋田県には2、3回しか行ったことがないが、父が秋田の出身なので親近感を持っている。父は中学校を卒業して東京に働きに出てきて、母と出会ったらしい。

大阪人の四割は四国に親類をもっているといわれているが、そういう見方でいうと、秋田県に親類を持つのは東京人であって、大阪人ではない。

という文章があって、まさにその通りという感じがする。

「秋田の人は、初対面の相手に平気でものをいったりするところがないんです。はずかしがりやが多いですね」

という台詞も出てくる。
父は、はたしてどうだっただろうか。

東京に生まれ育った母は、今は山梨県南の身延町というところに住んでいる。
隣りに南部町というところがあって、以前、夏に母のところへ出掛けたついでに、「南部の火祭り」を見に行ったことがある。

岩手県を領地にしていた南部藩の南部氏は、鎌倉時代まではこの地にいたのだそうだ。

甲州南巨摩(みなみこま)郡に南部村という村があり、南部という苗字はそこからとられた。

山梨と岩手がつながっているなんて、全く予想外のことで驚く。
「なるほど」と思ったり、「そうだったのか」と思ったり、読書の楽しみを十分に味わうことのできる一冊であった。

2009年3月30日、朝日文庫、720円。

posted by 松村正直 at 13:42| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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