2014年02月22日

「現代短歌」2014年3月号

小高賢さんの作品「よきものの」13首が載っている。
亡くなったことを知っているためか、「不審死という最期あり引き出しを改めらるる焉りはかなし」など、死を詠んだ歌が多いのが印象に残る。

よきものの七十歳(ななじゅう)代という歌をにわかに信ぜず信じたくもあり

この一首は

よきものぞ七十代はといひし師のこころ諾(うべ)なふ今にいたりて
                窪田空穂『丘陵地』

を踏まえている。昭和29年の歌で、当時空穂は77歳。
69歳で亡くなった小高さんには、ついに「七十歳代」は来なかったことを思うと、何とも悲しい。
posted by 松村正直 at 19:57| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。