新鋭短歌シリーズ3。
「未来」所属の作者の第1歌集。2008年から13年初頭までの317首を収めている。
ちぃーすざぁーすうぃーすあざぁーすと原型の分からぬ朝の挨拶をする
みな前を向くから僕も前を向くデスクトップの遠い草原
新月の夜の更けゆけば停止線わずかに越えて停まるプリウス
アイライン整えられてゆくまでを見おろす肘と肘のあいだに
のどあめでのどをうるおすさびしさに読みかけて閉じる回想録(メモワール)
剃刀の刃を差し替える危うさで名刺を渡すもうあわないひとに
離れては近づいてくる笑いごえ風の向こうへブランコを押す
学校はもうこりごりと耳元で妻がつぶやく拍手をしつつ
いっかいてーんにかいてーんさんかいてーんといいながら半回転をつづけるむすめ
折り畳み傘たたみつつ誰ひとり歩みを止めぬ駅コンコース
コンピューターメーカーの営業職という仕事を詠んだ歌が中心となっている。
7、8、9首目は小学生の娘に関する歌。「シオリ1」「シオリ2」「シオリ3」という連作のタイトルは、娘さんの名前「詩織」に因んでいるのだろう。
2013年5月25日、書肆侃侃房、1700円。
はじめまして。堀合昇平と申します。
拙歌集、ご紹介くださりありがとうございます。
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