2014年01月12日

山口誓子句集 『凍港』

氷海や月のあかりの荷役橇
探梅や遠き昔の汽車にのり
轍あと深くかげりぬ誘蛾燈
白樺の皮葺きたれや避暑の宿
初瀬の驛獅子舞汽車を待てるかも
くらがりに七賢人の屏風かな
扇風器大き翼をやすめたり
眼にのこる神樂の面のことをいふ
蟷螂の鋏ゆるめず蜂を食む
スケートの君横顔をして憇ふ

山口誓子の第1句集。虚子が序文を寄せている。
どの句からも場面がくっきりと目に浮かんできて、印象が鮮やかだ。

今回読んだのは、名著復刻「詩歌文学館」シリーズの1冊。
昭和7年に素人社書屋から刊行された本の復刻版であり、当時の雰囲気を味わえるのが良い。

1980年12月20日、日本近代文学館
posted by 松村正直 at 00:39| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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