2014年01月08日

旧石巻ハリストス正教会教会堂

1985年に、司馬遼太郎は「街道をゆく 仙台・石巻」の旅で、旧石巻ハリストス正教会教会堂を訪れている、1880年に建てられた木造の教会で、1980年に旧北上川の中州に移築されたものである。
 そこに美しい建物が保存されていた。
 西洋の教会とも、日本の城の櫓ともつかぬふしぎな折衷建造物だった。正面(ファサード)は八角形のうちの五つの面でかこまれた二階建造物で、玄関を構造する柱が四本ある。どの柱も、日本の寺院の柱のように、礎石というはきものをはいている。外壁は、白亜である。

この建物は、2011年の東日本大震災の津波によって大きな被害を受けた。流失や倒壊は免れたものの、二階まで冠水し、壁や窓などが大きく破損した。
倒れたる案内板の泥はらひハリストス正教会の由来をよめり
                 小林幸子『水上の往還』
教会は覆はれゐたり 八角形の屋根の上なる十字架さむく

現在、「旧石巻ハリストス正教会 復元市民の会」「旧ハリストス正教会堂応急保存プロジェクト」などにより、解体・復元に向けた資金集めなどが行われている。

posted by 松村正直 at 00:23| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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