2013年12月30日

バルザック像(その2)

リルケ『ロダン』(岩波文庫、1941年、高安国世訳)から、バルザック像について書かれた部分を引いてみよう。
また、かのバルザックの像もさうである。ロダンは此の像に、恐らく此の文學者の實際の姿を凌駕する偉大さを與へた。彼はバルザックをその本質の底に於て捉へたのだ、が彼は此の本質の限界のところで止まることをしなかつた。

この岩波文庫版『ロダン』は、1960年に改版になっている。
訳文は次のようになった。
また、あのバルザックの像もそうである。ロダンはこの像に、おそらくこの文学者の実際の姿をしのぐ偉大さを与えた。彼はバルザックをその本質の根本から捉えたのだ、が彼はこの本質の限界のところでとどまることをしなかった。

また、この改版では図版も変更されている。

 IMG_3588.JPG

上半身だけであった写真が全身をうつした写真になっている。
同じ像の写真であるが、だいぶ印象は違うように思う。

posted by 松村正直 at 00:50| Comment(0) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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