ノチャクン
マイニチ
ナニシテル?
アヒカハラズ
カサ ヲ モツテ
ゴサンポカイ?
ここで気になったのは「ゴサンポ」という言葉。
今なら「ご散歩」とは言わず、「お散歩」というところだろう。
「お」と「ご」の使い分けについては、「お+和語」「ご+漢語」が基本という話を聞いたことがある。「お願い」「ご依頼」、「お知らせ」「ご案内」といったように。
それならば、本来は「ご散歩」の方が一般的であり、それが次第に「お散歩」へと変わってきたのかもしれない。
調べてみると、「ご散歩」という用例はいくつか見つかる。
宮沢賢治「真空溶媒」(1922年)
(どちらへ ごさんぽですか
なるほど ふんふん ときにさくじつ
ゾンネンタールが没〔な〕くなつたさうですが
おききでしたか)
坂口安吾「お魚女史」(1948年)
「先生、どちらへ、ゴ散歩ウ? 私も一しょに行きますわよウ。おイヤ? あらア、そんなことないでしょう。アラマ、エヘヘ、言ッチャッタワヨ、アハハ、バカネ、チェッ!」
中島敦の葉書も含めて、いずれも相手に問い掛けている場面で使われている。
そのあたりも何か関係があるのだろうか。
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