先日、鹿児島へ行った時に「せんじ」という調味料を手に入れた。
本かつおの旨みをエキス状に濃縮した天然由来の調味料です。鹿児島地方では古来より「せんじ」として親しまれております。
と、ラベルに記されている。水飴状のどろっとした黒っぽいものなのだが、「お料理にスプーン一杯入れると一層おいしさが増します」とあり、わが家でもそのように使っている。
『かつお節と日本人』を読むと、この「せんじ」の正体がわかる。かつお節を作るには、まず原料のカツオを三枚に下ろし、籠に並べて「煮熟」という工程を経る。カツオを摂氏80度のお湯で約60分煮るのだが、この時の煮汁も捨ててしまうのではない。
管理された煮汁は、エキス工場へ行き、かつお節の濃縮エキスとなる。
と書かれている。つまり、これが「せんじ」になるわけだ。
かつお節作りの副産物ということになる。