副題は「わたしが猟師になったワケ」。
5名の女性の猟師の生活や狩猟の様子を追ったドキュメンタリー。カラー写真も豊富で、現場の雰囲気がよく伝わってくる。
「狩猟がもたらす喜びのひとつは共同作業。皆で力を合わせて獲物を手に入れることが、コミュニティの存続に繋がるからだ」という言葉が印象に残った。狩猟においても、さまざまな形での人とのつながりが大切であるらしい。狩猟組や夫婦、あるいは猟犬との関わりが描かれている。
狩猟を始めたきっかけとして「理由は犬なんですよ」という答えがあった。犬の訓練競技会やショーへの出場だけでは物足りなくなったと言うのだ。
獲物を探して人のところに持ってくる。狩猟の場で人と犬とが力を合わせる行為が、やはりレトリーバーは最も活き活きと躍動するのだ。
この人の猟犬はラブラドールレトリーバーであるが、レトリーブ(回収する)が語源であることに、あらためて気づかされた。セッターもポインターも、元は狩猟の用語から付けられた名前である。
2011年8月10日、エイ出版社、1500円。