2013年11月10日

田中修著 『フルーツひとつばなし』


副題は〈おいしい果実たちの「秘密」〉。

「ミカン」「イチゴ」「ブドウ」など食卓にお馴染のものから、「マンゴスチン」「チェリモヤ」などの珍しいものまで、全50種類の果物を取り上げて、その歴史や栽培方法、栄養、特徴などを記した本。カラー写真がふんだんに使われており、眺めているだけでも楽しい。

二十世紀梨が「1888年、千葉県松戸市の民家のごみ捨て場で、ひっそりと人知れず生まれました」という話や、マスクメロンの「マスク」は麝香を意味する「musk」であり、マスカットという名前も「麝香猫(musk cat)」に由来しているなど、初めて知ることばかり。

また、植物の持っている不思議な力や、何代にもわたって品種改良を続けてきた人間の努力に関する話も多く、ふだん当り前のように食べている果物の奥深さに、あらためて気づかされた。果物が今まで以上に美味しく感じられそうだ。

2013年8月12日、講談社現代新書、1000円。

posted by 松村正直 at 12:12| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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