監督・撮影・録音・編集:奥谷洋一郎
多摩川の河口付近で廃船に住む男の生活を追ったドキュメンタリー。大袈裟な演出は何もなく、淡々と男の日常が映されていく。しかし、その抑制の効いた撮り方は、おそらく監督の明確な方法論と意志に基づくものである。
男は犬を飼い、野菜を育て、コンロで魚を調理し、モーターボートの修理などでわずかな現金を得て暮らしている。現代社会の枠組みから外れ、都市の狭間に生きる男の姿を通じて、われわれ(と言っていいのか)現代社会や都市の姿までもが浮き彫りにされてくる。
映画の終り近くになって、ようやくタイトルの意味がわかる。「ソレイユ」(太陽)のこどもたち。それははたして希望を意味しているのかどうか。
京都みなみ会館、104分。
2013年09月29日
この記事へのコメント
コメントを書く