2013年09月29日

映画「ソレイユのこどもたち」

監督・撮影・録音・編集:奥谷洋一郎

多摩川の河口付近で廃船に住む男の生活を追ったドキュメンタリー。大袈裟な演出は何もなく、淡々と男の日常が映されていく。しかし、その抑制の効いた撮り方は、おそらく監督の明確な方法論と意志に基づくものである。

男は犬を飼い、野菜を育て、コンロで魚を調理し、モーターボートの修理などでわずかな現金を得て暮らしている。現代社会の枠組みから外れ、都市の狭間に生きる男の姿を通じて、われわれ(と言っていいのか)現代社会や都市の姿までもが浮き彫りにされてくる。

映画の終り近くになって、ようやくタイトルの意味がわかる。「ソレイユ」(太陽)のこどもたち。それははたして希望を意味しているのかどうか。

京都みなみ会館、104分。

posted by 松村正直 at 00:16| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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