2013年09月08日

りんご

今年の夏休みの息子の自由研究は、様々な液体の酸性とアルカリ性を調べるというものであった。それを見ていて、驚いたことが一つ。りんごジュースが酸性だったという結果を記した後に、「りんごは酸っぱくないのに、酸性だった」と書いてあるのである。

「林檎は酸っぱいだろ?」と聞くと、「いや、酸っぱくない。酸っぱいと思ったことがない」と言う。レモンや柑橘類などは酸っぱいが、林檎は酸っぱくないと言うのだ。

酸っぱい、酸っぱくないと、しばらく問答をして、最後は『広辞苑』の「りんご」の項目に「味は甘酸っぱく」とあるのを見せたりもしたのだが、息子は納得しない。

そのうち、そう言えば最近の林檎はあまり酸っぱくないなと気が付いた。紅玉などの酸っぱい品種に代わって、甘くて大きい林檎が主流になっているからだろう。年々甘くなっているような気がする。

となると、林檎が酸っぱいという常識(?)も、もはや常識ではなくなっていくのだろう。あるいは、私の方がその常識やイメージを引きずっているだけなのかもしれない。今私の食べているりんごは、本当に酸っぱいのだろうか?
かたはらに折々きたる幼子は酸き一片(ひときれ)の林檎を持てり
                          佐藤佐太郎『しろたへ』

posted by 松村正直 at 10:35| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。