2013年08月26日

角川「短歌」の古い号から(その2)

河野裕子さんの作品が初めて総合誌に載ったのは、角川短歌賞を受賞した時(1969年6月号「桜花の記憶」50首)だと思っていたのだが、そうではなかった。

その前年の1968年2月号に「学生短歌の新鋭九人」の一人として、河野さんの作品「紫紺の眼」14首が掲載されている。他のメンバーは、伊藤洋子、大林明彦、川戸恒男、清宮剛、佐藤和之、下村光男、田中仁巳、松見健作。

この「紫紺の眼」14首は、第一歌集『森のやうに獣のやうに』に収録されている歌が多いが、それ以外に、
温み来る真昼の水に指あそばせて幾度つぶやきぬなつかしき名を
天心に散華し終へし猛禽の瞑らぬ紫紺の眼を見たきかな
いななきは遂のまぼろし猛禽のこゑかんかんと十月の天を打つ

といった歌がある。

ちなみに永田さんの総合誌デビューは、角川「短歌」1969年2月号。「新人登場」という欄に、「疾走の象」8首が掲載されている。

posted by 松村正直 at 23:41| Comment(0) | 河野裕子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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