作品やエッセイ、一首評、短歌時評など、毎号充実した内容である。
荻原伸さんの短歌時評に、こんなことが書いてある。
斎藤喜博(一九一一年うまれ)は「島小教育」と呼ばれる教育実践で有名な小学校教師だ。教育に携わる者で斎藤喜博を知らないひとはいない。
ああ、なるほどと思った。
実は数日前に、「塔」の会員で小学校の先生をしていたKさんが、『高安国世の手紙』の感想を伝えて下さったのだが、その方が真っ先に挙げたのが、この斎藤喜博の名前だったのだ。
戦後、次々に創刊されたアララギ地方誌の一つに斎藤喜博を中心とした群馬アララギ会の「ケノクニ」があり、高安国世もそこに文章を寄せたりしていたのである。二人はともに土屋文明門下であった。
Kさんは大学の卒論で斎藤喜博について書いたということで、教育者としての斎藤をよく知っていた。一方の僕は歌人としての斎藤喜博は知っていたが、教育者としての斎藤については何も知らなかったというわけだ。
短歌時評ありがとうございます。