「東京するめクラブ」を名乗る3人の旅行記。「ちょっと変なところに行って、ちょっと変なものを見てまわろう」という趣旨で選ばれた旅行先は、名古屋、熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里の6つ。『珍日本紀行』の著者でもある都築の選びのセンスが光る。
町で目に付いた様々なものについて三者が分担して書き、最後に座談会でまとめるというスタイル。それぞれの町の特徴や歴史、問題点(?)などが多面的に浮き彫りにされている。初出は雑誌「TITLE」2002〜2004年。
僕は思うんだけど、名古屋という場所の特殊性は、そこが押しも押されぬ大都市でありながら、どこかしら異界に直結しているような呪術性をまだ失っていないところにあるんじゃないだろうか。 (「失われた世界としての名古屋」)
三十歳の若きアントン・チェーホフがサハリンを訪れたのは一八九〇年のことで、そこに長期間滞在し、五年後に歴史的資料としてもまことに貴重な旅行記『サハリン島』を発表した。 (「サハリン大旅行」)
こうした村上春樹の文章を読んでいると、『1Q84』にチェーホフの『サハリン島』が出てきたり、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』で名古屋が描かれたりした理由が垣間見えてくる気がする。
2008年5月10日、文春文庫、1000円。
(小説でも)ものすごく食べ物の描写が上手いなあと
いつも感心して読んでいます。
私事ですが、水丸さんとの香川うどんの旅を
なぞって、香川でうどんをすすっていた時、
美味しさ二倍に感じました。
するめクラブ、今度読んでみます!
あんかけスパゲティー、味噌煮込みうどん、コーヒーぜんざい、うなバーガー、鉄板焼きスパゲティー、などなど。
初めて、名古屋へ行った時、地下鉄通路に、はみ出て下着が
売られていた時も、ここは何だろう、と衝撃でした。
祇園祭りは、去年の今頃も記事にされていたのを
思い出し、一年の早さを感じております。