宮柊二の戦中書簡に焦点を当てているのだが、軍事郵便という制度や検閲の問題にも触れていて、読み応えがある。
兵の士気の低下を防ぐために、野戦郵便局が設けられ、戦地から内地へ送る郵便は全て無料であったこと、兵は日記を付けることも奨励されたことなど、実に興味深い。
今回、「一兵意識」という言葉も出てくるのだが、これはもちろん
おそらくは知らるるなけむ一兵の生きの有様をまつぶさに遂げむ 『山西省』
へとつながっていくものだろう。この歌については、以前からいろいろ調べていることがあるので、いずれ何かに書きたいと思う。