2013年07月04日

続・佐太郎の穴の歌

佐太郎の歌をもう少し。
鉱滓をすてて乾ける泥のいろ夏の日の照る山中にして  『群丘』
ひといきに鉱石をおとすさま見れば石より火花とびつつ落つる
銅鉱は即ち鉛(なまり)いろの泡くらきものより絶えまなく浮く

秋田県の阿仁鉱山を詠んだ歌。三首目は粉砕した鉱石から浮遊選鉱という方法で銅鉱石を分離しているところである。
徳川の代に銀掘りし山のべに古き治水の跡のこりをり  『開冬』
山峡は昼しづかにてところどころ間歩(まぶ)と呼ぶくらき坑口の見ゆ
悲しみのきざすごとくに龍源寺間歩の風かよふところに憩ふ

昭和48年に石見銀山跡を訪れた時の歌。今では世界遺産になった石見銀山であるが、当時は訪れる人も稀だったようだ。「行く人のなき銀山の跡のみち」という歌もある。

鉱山の歌ばかりになってしまったが、他にも、砂丘、火山、島、峡谷などを詠んだ歌が佐太郎には多い。地学的と言うか、今で言うジオパークのような場所が好きだったようだ。

posted by 松村正直 at 20:27| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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