監督:奥谷洋一郎。90分。京都みなみ会館。
http://www.dokutani.com/
最盛期には全国で数百軒もあったという見世物小屋。その最後の一軒と言われる「大寅興行社」の暮らしや歴史を追ったドキュメンタリー。
祭から祭への移動、小屋掛け、客寄せの口上、太夫(芸人)の演技、小屋の解体撤収といった現場の様子から、家族や仲間たちの話、かつての見世物興行師の語る思い出話など、見世物商売の様々な面が映し出される。
大寅興業社の人たちは、見世物小屋がやがては滅びて行くという覚悟を持っている。けれども、そこに暗さはない。人生を振り返る口調にも湿っぽさはなく、サバサバとした受け答えが印象に残る。
最初は監督のナレーションが素朴過ぎてどうかなと思ったのだが、そこには大寅興行社と監督の10年にわたる交流が滲んでいたのだ。途中からそのことが伝わってきて、じんわりと暖かい気持ちになった。
2013年06月24日
この記事へのコメント
コメントを書く