「若手・新人を育てる」というテーマで僕も文章を書かせていただいたのだが、同じ欄に中地俊夫さんの文章がある。
「『短歌人』には文学活動がない」と言って離れて行った人たちの「原型」がこの度、終刊号を出した。立派な主宰者を戴いた結社誌の五十年間は一体何だったのだろうか。何でも長続きすれば良いというものではなかろうが、新人が全く育たない結社のありようはやはり問題である。
1962年に「短歌人」の編集委員であった斎藤史が、新たに創立した結社が「原型」である。その際にどういう経緯があったのか詳しくは知らない。多少ゴタゴタもあったのだろう。それにしても、この書き方はちょっとなあと思う。
「新人が全く育たない」なんて、軽々しく決めつけて良いものだろうか。「原型」と言えば、百々登美子さんや目黒哲朗さんといった名前がすぐに思い浮かぶ。そういう人たちを全否定するような書き方は、いかがなものだろう。
結社の悪しき側面を見てしまったような気がする。
どんな発言でも、自分の発言は自分に返ってくるということの一例と思います。