2013年05月11日

「うた新聞」5月号

見開き2ページを使って、「短歌結社について」という特集が組まれている。結社の抱えている様々な問題点が見えてきて、なかなか面白い。

「若手・新人を育てる」というテーマで僕も文章を書かせていただいたのだが、同じ欄に中地俊夫さんの文章がある。
「『短歌人』には文学活動がない」と言って離れて行った人たちの「原型」がこの度、終刊号を出した。立派な主宰者を戴いた結社誌の五十年間は一体何だったのだろうか。何でも長続きすれば良いというものではなかろうが、新人が全く育たない結社のありようはやはり問題である。

1962年に「短歌人」の編集委員であった斎藤史が、新たに創立した結社が「原型」である。その際にどういう経緯があったのか詳しくは知らない。多少ゴタゴタもあったのだろう。それにしても、この書き方はちょっとなあと思う。

「新人が全く育たない」なんて、軽々しく決めつけて良いものだろうか。「原型」と言えば、百々登美子さんや目黒哲朗さんといった名前がすぐに思い浮かぶ。そういう人たちを全否定するような書き方は、いかがなものだろう。

結社の悪しき側面を見てしまったような気がする。

posted by 松村正直 at 00:58| Comment(2) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は短歌人関係者ではありませんが、「短歌人には文学活動がない」という言い方こそ問題ではないでしょうか。言った方は大した考えでないことでも、言われた方は忘れられなかったことでしょう。
どんな発言でも、自分の発言は自分に返ってくるということの一例と思います。
Posted by lily at 2013年05月14日 00:08
当時の状況については詳しく知りませんし、どちらが悪いと決め付けることもできません。双方にそれぞれの言い分があるのでしょう。一番の問題は、この文章を読んで結社に良いイメージを持つことはないだろうということです。
Posted by 松村正直 at 2013年05月15日 00:44
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