2013年04月28日

「近世から近代へ―うたの変遷」第2回

13:30から「京都テルサ」東館2階の研修室にて、第2回の勉強会を開催。
参加者は37名。

盛田帝子さんの講演「近世和歌の変容―近代短歌への胎動」を聴く。

富小路貞直・冨士谷成章・賀茂季鷹らによる堂上和歌批判、堂上歌人と地下歌人によって行われた大愚歌合のもたらした転換、小沢蘆庵・香川景樹・大隈言道の歌論と作品といった内容で、江戸時代の後半から幕末あたりまでの流れをお話しいただいた。

引用された大隈言道の『ひとりごち』の中に
僕(われ)かりに木偶(でく)歌と号(なづけ)たるものあり。魂霊(たましひ)なくて姿も意もむかしのものなり。かかる歌は千万首よめりとも、籠(かご)にて水を汲むがごとし。当世の人の歌、この籠を漏れざるは少なし。しかるにこの木偶、何年せば霊(たましひ)や入りきたらむ。僕、つらつら田舎人の歌を見るに、木偶にて世を終る人多し。

という部分がある。この痛烈な批判は、今の私たちにもグサッと来るものだろう。自分の作っている歌は「木偶歌」ではないと、はたして言い切れるかどうか。そんなことを思いながら聴いていた。

その後、質疑応答、フリートークがあり、予定より10分ほど延長して16:40終了。盛田さんにはその後、喫茶店にもお付き合いいただき、さらに詳しく近世和歌の魅力についてお聞かせいただいた。

ご参加下さった皆さん、そして盛田さん、本当にありがとうございました。

posted by 松村正直 at 00:59| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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