2013年04月18日

さらに「歌壇」2013年5月号

池田はるみさんの特別作品「大鵬とその父」30首に注目した。

先日亡くなった大鵬とその父であるマルキャン・ボリシコについて詠んだもの。大鵬と樺太の関わりについては、以前このブログでも取り上げたことがある。(→1月21日)池田さんは『お相撲さん』というエッセイ集を出しているほどの相撲好き。
戦争がふかぶか落とす影のある大鵬ならむ樺太に生れき
しら雲のコサック騎兵隊長の若きマルキャン速駆けをせり
マルキャンは敷香(しすか)に渡りほのぼのと巡り合ひにき大鵬の母と
み棺が国技館を出づるとき大鵬、たいほうとこゑは叫びぬ
ユーラシアをはろばろと飛びその父も大鵬もまた見えなくなりぬ

大鵬の父の生涯については、現在ではかなり詳しくわかっている。それは、サハリン在住の研究者N.ヴィシネフスキーが2001年4月号の「文藝春秋」に「大鵬の父親サハリンに死す」(小山内道子訳)という文章を発表してからのこと。

ヴィシネフスキーは同じく小山内道子訳で『トナカイ王―北方先住民のサハリン史』という本も出しており、樺太研究に大きな業績を残している。

posted by 松村正直 at 00:52| Comment(0) | 樺太・千島・アイヌ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。