先日読んだ『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』では「JR湖西線」に「こさい」とルビが振ってあるのを見つけた。正しくは「こせい」。これは静岡県に湖西市(こさいし)があるためか、よく間違えられる。湖西線は琵琶湖の西、湖西市は浜名湖の西。
1987年刊行の『高安国世全歌集』は非常にすぐれた編集がされている本だが、それでも誤植はある。
会っておきたい人ありやと妻の問いかくる今更に会いたき人あらずけり
『光の春』
比較的よく引かれる最晩年の一首だが、全歌集ではこの「会って」が「会つて」と旧仮名遣い(?)みたいになっている。
結社誌でも毎月誤植が絶えなくて頭が痛いのだが、そんな時は以前ある人から聞いた「誤植で死んだ奴はいない」という言葉を思い出すようにしている。
『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』、とても面白かったです。ミステリーを読むようなワクワク感と、人や土地と出会う暖かさを感じました。「こせい」のことは、どうぞお気になさらずに。さらなる旅を楽しみにしております。