2013年04月15日

誤植

結社誌の校正を毎月やっていると誤植に敏感になるのか、ふだん、本を読んでいても誤植が目に付く。

先日読んだ『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』では「JR湖西線」に「こさい」とルビが振ってあるのを見つけた。正しくは「こせい」。これは静岡県に湖西市(こさいし)があるためか、よく間違えられる。湖西線は琵琶湖の西、湖西市は浜名湖の西。

1987年刊行の『高安国世全歌集』は非常にすぐれた編集がされている本だが、それでも誤植はある。
会っておきたい人ありやと妻の問いかくる今更に会いたき人あらずけり
                  『光の春』

比較的よく引かれる最晩年の一首だが、全歌集ではこの「会って」が「会つて」と旧仮名遣い(?)みたいになっている。

結社誌でも毎月誤植が絶えなくて頭が痛いのだが、そんな時は以前ある人から聞いた「誤植で死んだ奴はいない」という言葉を思い出すようにしている。

posted by 松村正直 at 06:45| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご購読ありがとうございます&「こさい」のご指摘、恐縮です。恥ずかしながら見逃しました。すでに発売日当日より多くの方からご指摘いただいています。「誤植で死んだ奴はいない」などとのんきなことは言っていられません。おそらく死ぬ瞬間に、「ああぁ、こせい、見逃したなぁ…」と後悔して死んでいくのだと思います。
Posted by 語源ハンター at 2013年04月22日 23:41
>語源ハンターさま
『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』、とても面白かったです。ミステリーを読むようなワクワク感と、人や土地と出会う暖かさを感じました。「こせい」のことは、どうぞお気になさらずに。さらなる旅を楽しみにしております。
Posted by 松村正直 at 2013年04月23日 00:00
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