高安国世の友人であった内田義彦の戦前の住所が 「東京市本郷区西片町十にノ四十七」 だし、高安の伯父高安月郊もこの西片町に住んでいた。
樺太との関わりで林田鈴の歌集 『南を指す針』 を読めば
かろがろと吾を抱きくれし兄を憶ふ本郷西片町十番地との四号の家
という一首が見つかる。
本郷区西片町(現文京区西片)は東京大学に近く、学者や文化人が数多く住んだところ。夏目漱石の『三四郎』にも広田先生が「西片町十番地への三号」の借家へ引っ越す話が出てくる。この西片町十番地の住所はちょっと変っていて、いろは順になっている。
他にも、樋口一葉、佐佐木信綱、尾上紫舟、木下杢太郎、上田敏など、短歌にも関わりの深い人物がたくさん住んでいたらしい。東京へ行った時に、一度ゆっくりと歩き回ってみたい。
文学散歩するにはいいところかもしれません。
ちなみに、私は西片幼稚園というところに2年行きました。
京都で言うと、京大に近い北白川のような感じかな。