2013年02月15日

『近代秀歌』のつづき

「短歌往来」に連載中の「樺太を訪れた歌人たち」では、最初に北見志保子を取り上げ、次のように書いた。
志保子はこのように歌壇に大きな足跡を残した歌人であるが、今では不思議と取り上げられることが少なくなっている。残念なことに、歌集を読むのも難しい状況である。

その北見志保子の歌が『近代秀歌』に1首選ばれている。
人恋ふはかなしきものと平城山(ならやま)にもとほりきつつ堪へがたかりき
              北見志保子『花のかげ』

短歌としてよりは、むしろ歌曲として知られている一首だろう。永田さんの鑑賞にも「北見志保子は不思議な歌人である。ほとんどこの一首だけで、短歌史に残る歌人となった」とある。逆に言えば、この一首以外はあまり知られていないということになるのかもしれない。

posted by 松村正直 at 00:56| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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