監督・脚本:錦織良成、主演:伊藤歩、青柳翔、原作:川上健一(集英社文庫)。
隠岐で開催される古典相撲と、そこに出場する人々の家族やふるさとに対する思いを描いた作品。
神社の境内に設けられた土俵で夜通し行われる相撲のシーンが何よりも良かった。土俵に上がる力士に向って応援する人たちが塩を投げつけるのだが、それが力士の背中や顔にびしびしと当る音がして迫力がある。
それに比べて家族や恋のドラマの方はやや低調。見ていて少し恥ずかしくなってしまう感じ。言いたくて言えないことがある時に、指先をもじもじさせるといった演出は、ちょっと古過ぎるのではないだろうか。
それでも、隠岐の自然や古典相撲の魅力、俳優さんたちの熱演によって、全体としては楽しい映画になっている。
監督の錦織は島根県出身で、「白い船」「うん、何?」「RAILWAYS」という島根3部作を撮った人。こうした地域密着の姿勢は、これからますます大切になってくるように思う。
MOVIX京都にて。134分。
2013年02月07日
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