2013年02月02日

愛珠幼稚園

今日の読売新聞の夕刊に、大阪の愛珠(あいしゅ)幼稚園のことが載っていた。
(記事は → こちら

大阪市の市立幼稚園民営化の方針を受けて、国内最古の園舎(重要文化財)で知られる愛珠幼稚園も民営化されることになり、古い玩具や教材など1000点以上の貴重な所蔵品が散逸する恐れがあるという内容である。

どこかで聞いたことのある名前だと思って、『メモワール・近くて遠い八〇年』という本を開いてみると、やっぱり載っていた。
  船場の誇り・愛珠幼稚園

 愛珠幼稚園は船場の今橋四丁目にあり、明治十三年創立、日本で二番目に古い幼稚園、私は明治四十三年の卒園である。第一番は東京お茶ノ水の付属幼稚園で官立だから、私立幼稚園としては第一号であった。船場商人の根性、商人の先を見通す眼、と言うか、金もうけだけでなく、人間を創ることの大切さを知り、自分たちの手で小学校も幼稚園も造ったのだからすばらしい。

この本の著者は石本美佐保。高安国世の9歳上の姉である。高安の生家である高安病院は船場のど真ん中にあった。

けれども、高安はこの愛珠幼稚園に通ってはいない。それは「体質虚弱で喘息の持病があり、幼時を多く芦屋の別邸ですごす」(『高安国世全歌集』年譜)という幼少時代だったためである。

「病弱で幼稚園にも行かなかった私」(「芦屋の浜と楠」)という意識は、高安の生き方にも大きな影響を与えている。

posted by 松村正直 at 20:15| Comment(0) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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