2013年01月15日

『ちんちん千鳥のなく声は』のつづき

山口仲美さんは、擬音語・擬態語をはじめとした日本語学の専門家。『犬は「びよ」と鳴いていた』『日本語の歴史』など、おもしろい本を数多く出している。以前、「短歌研究」で小池光さんとも対談をしていた。

近代・現代短歌で鳥の鳴き声を詠み込んだ短歌はないかと考えると、まず思い付くのはフクロウの歌だ。
梟(ふくろふ)はいまか眼玉(めだま)を開くらむごろすけほうほうごろすけほうほう
                       北原白秋『桐の花』
ほろすけほう五(いつ)こゑ六(む)声郊外の夜霧に鳴きて又鳴かずけり
                       古泉千樫『屋上の土』
病める子よきみが名附くるごろさんのしきり啼く夜ぞゴロスケホウッホウ
                       宮 柊二『日本挽歌』
ごろすけほう心ほほけてごろすけほうしんじついとしいごろすけほう
                       岡野弘彦『飛天』

それぞれ「ごろすけほうほう」「ほろすけほう」「ゴロスケホウッホウ」「ごろすけほう」という言葉でフクロウの鳴き声を表している。こうした例をいろいろと探してみるのも面白そうだ。

posted by 松村正直 at 00:44| Comment(0) | ことば・日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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