近代・現代短歌で鳥の鳴き声を詠み込んだ短歌はないかと考えると、まず思い付くのはフクロウの歌だ。
梟(ふくろふ)はいまか眼玉(めだま)を開くらむごろすけほうほうごろすけほうほう
北原白秋『桐の花』
ほろすけほう五(いつ)こゑ六(む)声郊外の夜霧に鳴きて又鳴かずけり
古泉千樫『屋上の土』
病める子よきみが名附くるごろさんのしきり啼く夜ぞゴロスケホウッホウ
宮 柊二『日本挽歌』
ごろすけほう心ほほけてごろすけほうしんじついとしいごろすけほう
岡野弘彦『飛天』
それぞれ「ごろすけほうほう」「ほろすけほう」「ゴロスケホウッホウ」「ごろすけほう」という言葉でフクロウの鳴き声を表している。こうした例をいろいろと探してみるのも面白そうだ。