47都道府県(北海道は南北の2つ)の形をしたクジを引いて、出てきた県についてみうらじゅんが語るという内容。観光名所案内ではなく、みうらじゅんの個人的な思い出やB級スポットの話が次々と繰り広げられる。
その語りが抜群に面白い。一種の話芸と言っていいだろう。読んでいて、こちらも思わず笑い出してしまう。しかも、旅行好きというだけあってネタが豊富にある。さらには、その都道府県に関連したグッズ(お土産品)も写真入りで紹介されている。
気ままな旅というのは、「自分の気まま」じゃないんです、「相手の気まま」です。 (福岡県)
(…)伊勢エビは食べるところが少ないんですよ。(…)パカッと開けて、ケシゴムが3つぐらい入ってるような筆箱ですもんね。 (三重県)
「宮本武蔵生誕の地」と「宮本武蔵終焉の地」がものすごい近いことがわかります。道をはさんで向かい側です。 (岡山県)
こうして部分的に引用しても、なかなか本書の面白さと奥深さは伝わらない。
まあ、それが話芸というものなのだろう。
2012年11月25日、角川文庫、781円。