2012年12月13日

「ES 囀る」第24号

毎号、誌名(?)が変るユニークな同人誌「ES」。
メンバーは、天草季紅、江田浩司、大津仁昭、加藤英彦、崔龍源、桜井健司、谷村はるか、松野志保、山田消児。

「ES」は毎号、特集や評論に力を入れていて、読み応えがある。
今号は、中でも谷村はるかの評論「故郷のクジラ餅―期待に応えないための方言」が秀逸だった。

東日本大震災以降、東北の方言を取り入れた短歌が数多く作られていることに対して、異議申し立てをする内容。方言らしさを強調することによって、「みんなの期待する、しかしどこにも実在しない、架空の東北がつくられてゆきかねない……」という懸念が述べられている。

これは非常に鋭い指摘であり、また大事な問題提起だと思う。
書きにくい問題をきちんと論じた著者の姿勢にも共感を覚えた。

posted by 松村正直 at 19:40| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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