まず、理事長の大辻隆弘さんの基調講演「迢空の言語観」。迢空の短歌に古語と現代語が混じって使われていることの意味を、迢空の論文や茂吉との論争から読み解いていく内容で、30分程度の短いものだったが大事な指摘であった。
続いて上野誠さんの講演「折口信夫の挑戦」。上野さんの話は初めて聴いたのだが、実に面白かった。ユーモアのある語り口で、迢空の育った環境や芸能・芸人・被差別部落との関わり、そしてそこから生まれた迢空の古代学の特徴などを話して下さった。
これまで折口信夫(釈迢空)はとっつきにくい印象が強かったのだが、これを機に迢空の短歌や上野さんの著作をもっと読んでみたいと思った。
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