美術館「えき」KYOTOで開かれている「山口晃展〜山口晃と申します 老若男女ご覧あれ〜」を見に行く。山口晃の作品を見るのは、以前、上野の森美術館で会田誠と二人の展覧会を見て以来。
会場に入ってすぐ、「門前みち/軍艦」という2枚のスケッチがある。これは、全く別の対象を同じ構図で描いたもの。この2枚を見ただけで、山口晃の世界に引き付けられてしまう。
ちらしにも使われていた「邸内見立 洛中洛外圖」では、京都の町を一軒の邸に見立てて描いている。「御所」は「碁所」になってみんなが碁を打ってるし、「京大」は「鏡台」に、「金閣寺」は「きんかくし」(=トイレ)になっているという具合。
一枚の絵に時代を超えた様々なものが入り乱れ、それでいてなぜか落ち着いている。そんな不思議な世界をたっぷりと味わうことができる。
今回は新聞小説の挿絵の展示もあり、それが毎回違った手法で描かれていることにも驚かされた。一回一回、全く別の描き方なのである。そうした確かな技術の裏打ちがあって初めて、新鮮な発想も生きてくるのだろう。
2012年11月30日
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