2012年10月09日

「現代歌人協会会報」132号


池本一郎さんが「最近知った古語・新語」というエッセイ欄に、「テンプレ」と題する文章を寄せている。
 たしかテンプレと聞こえた。「テンプレですよ、これは」と。エッ、何?
 40人の歌会で小声で批評する若者。昨秋、京都の「塔」歌会に出席した。上洛中だったので久々に出たら、初対面の若い人が多く、次々に発言して賑わう。
 テンプレは初耳の〈新語〉。だが歌を見ると察しはついた。感心しない、もっと別の表現がいい、という感じ。
 廣野翔一か藪内亮輔か、「京大短歌」の人の評言だった。仲間内では定着した批評語の様子で淀みなく。傍の松村正直に質すと「きまった、型どおりの」といった意味でしょうという。はあ。
 辞書には、template=型取り工具・型板。[コンピュータ]テンプレート(用途に応じたひな型・定型書式)とある。(以下、略)
ここには、老若男女が集う歌会のおもしろさがよく出ていると思う。池本さんは70歳代、僕は40歳代、廣野さんや藪内さんは20歳代。世代の違うメンバーが集って、同じ歌についての議論をする。

自分では当り前だと思っている話が通じない場合がある。また自分の知らない風俗や習慣について初めて聞くこともある。それは、確かに少し面倒なことであるのだけれど、一方でそれが刺激にもなり楽しみにもなる。

同世代だけが集まる歌会とは違ったおもしろさが、そこにはあるのだと思う。

posted by 松村正直 at 00:03| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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