2012年09月18日

田毎の月


とある待合室で「サライ」10月号を読んでいて、ハッと気がついたことがある。
「月光浴への誘い」と題した特集が組まれており、その中で「田毎(たごと)の月」(長野県千曲市)が取り上げられていた。

田毎の月と言えば【段々に小さく区切った水田の一つ一つにうつる月】(広辞苑)のことである。棚田の一つ一つにそれぞれ月が映っているのだろうと漠然とイメージしていた。

広重.jpg

歌川広重【六十余州名所図会 信濃 更科田毎月 鏡台山】

しかし、「サライ」には写真が載っていない。しかも、田毎の月については「畦道を歩きながら順番に田を見ている」「棚田全体を月の光が照らしている」という二つの解釈が記されているのだ。

そうか!一つ一つの田に同時に月が映っているのを見渡すなんてことは、あり得ないんだ! と、その時、初めて気がついた。あり得ないからこそ、写真もないわけである。広重の絵に描かれたような田毎の月というのは、たぶんフィクションでしかないのだろう。


posted by 松村正直 at 22:13| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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