2012年09月15日
大隅清治著『クジラと日本人』
著者は財団法人日本鯨類研究所理事長(当時)。
日本人と鯨の歴史的な関わりや捕鯨文化、クジラ資源の管理方法やIWC(国際捕鯨委員会)の現状など、クジラをめぐる様々な問題を学者の立場から論じている。
日本で捕鯨が発展した要因として、天武天皇以来、獣類を殺して食べることを禁止する詔が何度も出されていた中で、鯨は魚と見なされて食べることが許されていた点を挙げているのが興味深い。
猪の肉のことを「山鯨」と呼ぶのにも、そうした背景があるのだろう。つまり鯨であればOKだったということだ。
2003年4月18日、岩波新書、700円。
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