2012年07月30日

石黒浩著 『ロボットとは何か』


副題は「人の心を映す鏡」。

日常活動型ロボット「ロボビー」(1999年)、「ロボビーIV」(2004年)、女性アンドロイド「リプリーQ2」(2005年)、遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイドHI-1」(2006年)、子供ロボット「CB2」(2006年)と、新しいロボットを次々と開発してきた著者が、その研究の意味や目的、さらには今後の見通しを記した本。

著者はロボット工学と認知科学や脳科学が融合した「アンドロイドサイエンス」を提唱している。本書は、そんな著者ならではのアイデアや試行錯誤、そして最新の研究の動向を、時代を追って理解することができるようになっている。

「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」「ロボットの研究とは人間を知る研究である」「人は他人ほど自分のことを知らない」「自分の心も、他人の心も、観察を通して感じることでその存在に気がつく」など、随所に刺激的な言葉が出てきて面白い。

来月の「塔」の全国大会では、女性アンドロイド「ジェミノイドF」が登場する劇が上演される。
今から楽しみだ。

2009年11月20日、講談社現代新書、740円。

posted by 松村正直 at 00:22| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。