家は、もうなかった。
小さな駐車場になっていた。
近所の人に話をうかがったところ、しばらくどこかの会社の倉庫代りに使われていて、10年近く前に火事になって燃えてしまったのだそうだ。「うちの玄関の楓もあの火事でやられて、道路側の枝は全部切ってしまったのよ」と、その人は思い出すように言った。
僕が働いていたコンビニ(「ポプラ」下伊福店)も、もうなくなっていた。多々羅店長やパートの大迫さん、高校生の明美ちゃんは、どこへ行ってしまったのだろう。
駅へ戻る途中の商店街を歩いていると、古い不動産屋があった。「女主人」が18年前とあまり変らない姿で、店の中に座っている。扉に手をかけると、初めてこの店を訪れた時のことが、あざやかに甦ってきた。
私も、昔下宿していたボロアパートは取り壊され、確かきれいなワンルームマンションに建て替えられたはずです。
そこをちゃんと見に行ったことは、まだないのですけど。
ジーンときました。
かつて住んでいた場所にもう一度行ってみたいという気持ち、
とてもよくわかります。
道幅や、樹の大きさの印象も
随分と変わったりしますよね。
時々帰ると
父がわざわざ寄り道して
懐かしい場所を車で走ってくれたりします。
そこに、かつてと変わらず
誰かが同じようにいてくれたら
本当にうれしいものです。
先日、夫が6年間住んでいた小倉の下宿を
グーグルマップで空から見ました。
当時はおばちゃん付きのおんぼろ下宿でしたが
建物も随分と変わっていました。
富山にも大学生で1年ほど住んでいたのですが
夫の中ではそちらのほうが懐かしいようで
このごろしきりに「もう一度行ってみたい」と言っています。
思い立ったら吉日!ですね。
こちらを拝見し、
夫を絶対連れて行かねばという思いが強くなってきました。
こういった歴史遺産や自然が懐かしいのは、それが変わらずに存在し続けるからなのでしょうね。