2012年05月22日

三井淳平著『空間的思考法』

日本人初のレゴ認定プロビルダーである著者が、自分の生い立ちや、ものの見方、考え方について記した本。

「レゴ認定プロビルダー」というのは、レゴ社の公式の資格で、世界レベルの作品製作技術などを持つ人が認定される。言ってみれば、レゴ社が認めたレゴ作りの達人というわけだ。著者は日本人で初めて、しかも最年少でこの資格を取った方。

似たような名前に「レゴモデルビルダー」というのもあるが、こちらはレゴ社の社員が持つ資格で、完全にプロということになる。

著者のHPには、全長6.6メートルの戦艦大和や実物大のドラえもん、コマ撮りの動画などの作品が公開されていて、一目見ればその凄さがわかると思う。

本書は出版社サイドからの提案によって執筆されたもので、「空間的思考法」という言葉自体が著者のものではなく、編集者の提案で決められたもの。「現役東大大学院生」を強調した装丁も含め、内容的にはやや物足りない。一般読者向けに書いているために、かえって「凄さ」が感じられなくなっているのかもしれない。

その中にあって、「マクロス」シリーズなどのアニメ監督河森正治と対談をしている部分が一番面白かった。やはりマニア同士でマニアックな人にしか通じないような話をしてもらった方が、わからない部分が多少あっても、読んでいて面白いのである。

2012年3月20日、メディアファクトリー、1300円。

posted by 松村正直 at 00:51| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。