2012年04月30日

平田オリザ著 『平田オリザの仕事2 都市に祝祭はいらない』

1994年〜1997年に書かれた演劇論、エッセイ、劇評などをまとめた本。
以下のような部分が、特に印象に残った。
短歌について考える上でも、随分と参考になるように思う。
演劇を創るのに主題はいらない。空間と人間と、その人間たちの関係を決定すれば演劇はできる。
戯曲を書くうえでの一番の規則は、「登場している人しか喋れない」という点である。
人間は、すでに共有している情報について、わざわざ話をすることはない。だから例えば、夫婦と一男一女の家庭の食卓を舞台とすれば、いつまで経っても、その四人の会話からは、父親の職業すらわからないことになってしまう。
背景を書き込むとは、説明的な台詞をたくさん書けということではありません。さりげない一言でも、人物の背景は十分に説明できます。それが、戯曲の力です。

今年の「塔」の全国大会の二日目(8月19日)には、平田オリザさんに来ていただくことになっている。どんな話を聞くことができるか、今から楽しみだ。

1997年7月18日、晩聲社、2000円。

posted by 松村正直 at 13:48| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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