迫力が一首の言葉を作らせるいやなのだ小手先の歌など
永田 淳
まあ、そうだよなあと思う。次に「嘘くさき修辞を重ぬる歌集なりレモン半分齧りつつ読む」という歌があるので、作者の言いたいことはよくわかる。
この歌に立ち止まったのは、「いやなのだ」という言葉。
すぐに河野さんの歌を想い浮べた。
このひとは寿命縮めて書きてゐる私はいやなのだ灰いろの目瞼など
河野裕子『家』
身近に接しているうちに、知らず知らずに文体が似たのかもしれない。
そう言えば、永田さんにもこんな歌がある。
ポケットに手を引き入れて歩みいつ嫌なのだ君が先に死ぬなど
永田和宏『風位』
それぞれ関係のない歌なのだが、こうして並べてみると、口調が伝染したみたいで面白い。
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