2012年03月30日

「短歌人」2012年4月号

「いま読む石川啄木」という特集が組まれている。
没後100年に合わせたものだろう。タイムリーな特集に、思わず読みふけってしまった。

4頁の評論が2人、2頁が11人、合計31頁という大特集である。
これだけの書き手を揃えられるというのは羨ましいことだ。

「冷笑的な観察者」「実在の影」「享楽派」「職業、石川啄木」「虚と実という二重性」「プロットに長けた作家」「ディレクターの資質」「鉄道愛好家」「大いに行動的な作家」「現代短歌の先がけ」「作中主体の女々しさ」「大掴みで感傷的なフレーズ」・・・実に様々な角度から啄木が論じられている。

内容は玉石混淆であるが、それぞれに書き手の個性が表れていて面白い。
啄木を論じると、なぜか書き手の短歌観や性格がよく見えてくる。

posted by 松村正直 at 00:12| Comment(4) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
短歌人4月号、読んでいただいてありがとうございます。
石から始まっても、玉に混じっているうちに、いずれ少しは輝きたいものです。
Posted by 近藤かすみ at 2012年03月30日 21:57
近藤さんの文章が一番冷静に客観的に書かれていた気がします。啄木を論じると、どうしても好き嫌いや感情的な面が出てしまうのですね。それはまたそれで面白いのですが。

僕は近藤さんの言うところの「啄木から短歌に入った人」なので、今回の特集はとても刺激になりました。ありがとうございます。
Posted by 松村正直 at 2012年03月30日 22:37
日記で触れてくださいましてありがとうございます。拙文が松村さんの御眼鏡にかなったのかどうか、玉なのか石なのかは分かりませんが、楽しく書けたことは間違いありません。調子に乗っていろいろ書いていたのですが、ボリュームの都合でずいぶん削りました。
Posted by 村田馨 at 2012年04月01日 00:30
村田さんの鉄道からのアプローチ、とても面白かったです。啄木、鉄道、実証的な評論と、どれも僕の好きなものばかり。楽しく書いた文章というのは、読んでいても楽しいものです。

原口隆行『文学の中の駅』という本でも、啄木のことが取り上げられています。「美国=琴似」説を挙げていらっしゃるので、既にご存知かもしれませんね。今回削った部分は、ぜひまた別の機会に発表して下さい。
Posted by 松村正直 at 2012年04月01日 00:50
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