「いま読む石川啄木」という特集が組まれている。
没後100年に合わせたものだろう。タイムリーな特集に、思わず読みふけってしまった。
4頁の評論が2人、2頁が11人、合計31頁という大特集である。
これだけの書き手を揃えられるというのは羨ましいことだ。
「冷笑的な観察者」「実在の影」「享楽派」「職業、石川啄木」「虚と実という二重性」「プロットに長けた作家」「ディレクターの資質」「鉄道愛好家」「大いに行動的な作家」「現代短歌の先がけ」「作中主体の女々しさ」「大掴みで感傷的なフレーズ」・・・実に様々な角度から啄木が論じられている。
内容は玉石混淆であるが、それぞれに書き手の個性が表れていて面白い。
啄木を論じると、なぜか書き手の短歌観や性格がよく見えてくる。
石から始まっても、玉に混じっているうちに、いずれ少しは輝きたいものです。
僕は近藤さんの言うところの「啄木から短歌に入った人」なので、今回の特集はとても刺激になりました。ありがとうございます。
原口隆行『文学の中の駅』という本でも、啄木のことが取り上げられています。「美国=琴似」説を挙げていらっしゃるので、既にご存知かもしれませんね。今回削った部分は、ぜひまた別の機会に発表して下さい。