2012年03月28日

パズル作家

「ファイ・ブレイン〜神のパズル〜」というアニメ番組を息子と一緒に見ている。

先日、点つなぎパズルを作るパズル作家が出演して、面白いパズルを作るコツとして、「もし100個の点をつなぐとしたら、50個くらいまで線をつないでも、まだ何の絵かわからないように作る」という話をしていた。

なるほど、線をつないでいる早い段階で何の絵かわかってしまったら、パズルを解く楽しみは半減してしまう。

これは、短歌でも同じことだろう。
例えば
雨粒が斜めに窓をのぼりきてわが飛行機は機首を下げゆく
            大辻隆弘『汀暮抄』

という歌の上句と下句をひっくり返してみる。
わが飛行機は機首を下げゆき雨粒が斜めに窓をのぼりゆく
            (改作案)

こうすると、原作の持っていた味わいが半減するどころか、全くなくなってしまうことに気が付く。飛行機に乗っている場面と最初はわからないことが、この歌にとっては肝腎なのだ。

31音全体で見た情報量は全く同じであっても、言葉の並べ方によって、歌は生きもするし死にもする。そのことに改めて気づかされた。


posted by 松村正直 at 09:40| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。