短歌の「修辞」に関しては、いくつもの誤解が付きまとっているように思う。
例えば短歌の入門書などを見ると、修辞の例として、「比喩」「オノマトペ」「リフレイン」「本歌取り」「枕詞」「序詞」「縁語」「擬人法」「ルビ」「固有名詞」「数詞」といったものが並んでいて、それぞれ例歌が載っている。
これも、確かに修辞には違いない。でも、修辞というのは、本来そんな狭い範囲のものではないだろう。上に挙がっているものなど、全体の5%くらいに過ぎないのではないか。
実作の経験から言えば、
「語順」・・・言葉をどう並べるか
「てにをは」・・・言葉をどうつなげるか
「省略」・・・何を言葉にして、何を言葉にしないか
「漢字・ひらがな」・・・言葉をどう表記するか
といったことの方が、はるかに修辞として大切なように思う。
また、〈「主題」か「修辞」か〉〈「人生派」か「言葉派」か〉といった話も、そもそもの問題設定が間違っている気がする。この二つは分けられるものでも、対立するものでもないだろう。こうした分け方をする人は、一見、修辞や言葉を大事にしているようでいて、実は軽くしか思っていないのではないだろうか。
2012年02月20日
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