2012年01月03日

「八雁」「石流」「虹」

「八雁」(選者阿木津英・島田幸典)、「石流」(発行人浜名理香)の創刊号(2012年1月号)が届いた。これに昨秋の「虹」(代表上野春子)の創刊号(2011年秋号)を含めると、「牙」の後継誌が出揃ったという感じだろう。

雑誌の創刊号というものは、たいてい「創刊の辞」などが載っていて、新鮮な気分に溢れている。読んでいて気持ちがいい。

それぞれの誌名の由来を引いておこう。
 「八雁」という語は、『古代歌謡集』(日本古典文学大系)の鳥名子舞歌、

 天(あめ)なるや 八雁(やかり)が中(なか)なるや 我(われ)人(ひと)の子(こ)
  さあれどもや 八雁(やかり)が中(なか)なるや 我(われ)人(ひと)の子(こ)

からとった。もと伊勢の風俗舞で、童男童女が歌いながら舞う神事歌謡だという。
「石流」の名は、「漱石枕流」に由来すると考えている。(…)
 この故事から、「漱石枕流」は「こじつけて言い逃れること」という意味で用いられるのだが、われらが「石流」は、「流れに枕して耳清らかに歌の調べを聞き、石で口を漱ぐように厳しく言葉を練磨する」と解釈したいのだ。
  とんねるを抜けてからっと冬の空こんなところに片足の虹
              石田 比呂志
(…)虹は希望であり夢である。日々の暮らしに追われ、疲れきった人がふと空を見上げた時虹がかかっていたら生きていることがそんなに悪いことばかりではないことに気付かされる。(…)虹は短歌でもあり文学でもある。
新しい出発をお祝いしたいと思う。

posted by 松村正直 at 18:26| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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