半月ほど前くらいだろうか、「日本の古本屋」に故永井陽子さんの旧蔵本が多数出ているのを見つけた。同じ古書店のもので、「歌に永井陽子のチェック入」「永井陽子旧蔵歌の上にチェックあり」「永井陽子鉛筆マーク入」などの注記がある。
永井さんが亡くなって11年。蔵書の一部が古書店に流れたのだろう。それ自体はよくある話である。実際問題、図書館や文学館に蔵書を寄贈できる人などほんの一部に過ぎず、あとは何らかの形で処分するしかないのである。本にとっても、燃えるごみになるよりは、新しい買い手に売られる方が良いのだろう。
それでも、そんなふうにネット上で販売されているのを見るのは、何だか忍びない思いがする。誰か早く買わないかなと気になって仕方がない。さんざん迷った挙句に、そのうちのいくつかを自分で買った。生前の永井陽子さんとはお会いしたことがないのだが、その人の持ち物だった本が、今こうして手元にある。
2011年11月26日
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