2011年11月21日

相原迷吾詩集『星くず狩りの鈍行列車』


作者名は「あいはら まいご」。
全部で65編の詩が収められている。

言葉遊びがふんだんに使われていて、ユーモア詩やナンセンス詩の味わいがある。楽しく笑って読んだ後に、どこかしんみりとした寂しさが伝わってくる。
  がらすのからす
がらすのからす われないように
おそるそるそる とんでみた
がらすのからすは とうめいだから
とんでいるのか みえにくい
くろいからすが うしろから
ごうそっきゅうで とんできて
がらすのからすに ぶつかった
くろいからすは あたまをうって
じめんにおちて すぐしんだ
がらすのからすは こなごなに
くだけて ほうぼうちらばった
けれどももしか もしかして
われずにとんでいるのかも
がらすのからすは とうめいだから
とんでいるのか みえにくい
他にも「へ」「いたずら」「あなたのそば」など名作(迷作?)多数。五七調や四四五のリズムを刻む詩が多く、その後、相原さんが短歌へやって来たのも頷ける。今はなき新風舎の本だが、アマゾンで購入できるので、興味のある方はぜひどうぞ。

2003年10月15日、新風舎文庫、650円。

posted by 松村正直 at 21:44| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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