作者名は「あいはら まいご」。
全部で65編の詩が収められている。
言葉遊びがふんだんに使われていて、ユーモア詩やナンセンス詩の味わいがある。楽しく笑って読んだ後に、どこかしんみりとした寂しさが伝わってくる。
がらすのからす他にも「へ」「いたずら」「あなたのそば」など名作(迷作?)多数。五七調や四四五のリズムを刻む詩が多く、その後、相原さんが短歌へやって来たのも頷ける。今はなき新風舎の本だが、アマゾンで購入できるので、興味のある方はぜひどうぞ。
がらすのからす われないように
おそるそるそる とんでみた
がらすのからすは とうめいだから
とんでいるのか みえにくい
くろいからすが うしろから
ごうそっきゅうで とんできて
がらすのからすに ぶつかった
くろいからすは あたまをうって
じめんにおちて すぐしんだ
がらすのからすは こなごなに
くだけて ほうぼうちらばった
けれどももしか もしかして
われずにとんでいるのかも
がらすのからすは とうめいだから
とんでいるのか みえにくい
2003年10月15日、新風舎文庫、650円。