十・二一「国際反戦デー」といふ行事ありきいつも晴れてゐき今日は朝からよく晴れていた。新聞ではリビアのカダフィ氏の死が報じられた。
花山多佳子『胡瓜草』
「国際反戦デー」は、僕が学生だった頃(もう20年も前の話だ)には、まだかろうじて残っていて、この日にあわせて集会やデモなどが行われていた。もちろん、1968年や69年の闘争のことは、その頃すでに伝説であった。
「ありき」「晴れてゐき」と二回重ねられた過去の助動詞が、時代の移り変わりと歳月の経過をはっきりと印象づけている。もう、新聞などで「国際反戦デー」という言葉を目にすることもなくなった。
騒乱罪適用されしニュース告げ一〇・二一夜果てしなき
道浦母都子『無援の抒情』